こんにちは。節分の豆まきをめぐって夫婦喧嘩にまで発展したことがあります、ななみです。
2月3日は節分ですね。我が家の子供たちは鬼のお面を被った大人を豆で退治するという節分定番の豆まきをまだしたことがありません。
それは3歳の長男が怖がりで、鬼のお面を見ると泣き出してしまうからです。1歳の長女はまだ鬼が怖いものだとは理解していないのですが、長男が大泣きすればつられて泣き出して収集がつかなくなることは目に見えています。
しかし子供が泣き出すからといっていつまでも年中行事をおろそかにしても良いのか疑問に思い、泣き出してしまう子でも節分の行事を楽しむにはどうしたらいいのかを考えました。
そして、節分についてのあれこれを子供にもわかりやすく説明して納得してもらおう!という考えに至り、節分について徹底的に調べました。
その結果わかった
- 節分の意味や由来
- 節分の各行事について
について、子供への伝え方をわかりやすくご紹介していきます。
これで節分について納得してもらい、泣いてしまう子も一緒に節分を楽しみましょう!
もくじ
節分の意味、由来は?歴史的な起源から、子供向けの簡単な説明まで
節分の時期になるとスーパーにたくさんの豆が陳列されていたり、毎年必ずテレビで神社等での豆まきの様子を放送していたりします。なので節分は身近な伝統行事だと感じますが、節分の意味そのものを考える機会はなかなかないですよね。
そこでまずは
- 節分は年1回ではない?
- 節分を2月3日行う歴史的な理由
- 節分の起源
この3つについて、子供にもわかりやすい視点で解説していきます。
節分は年1回ではない?
私もそうですが、「節分=2月に行われる行事」そのものと考えている人が大半だと思います。でも実は違いました。
なんと節分とは、
- 立春
- 立夏
- 立秋
- 立冬
の前日のことを指すんです。つまり季節の節目のことを節分というんですね。なので節分は年に4回あるということになります。
2月3日の1回だけのことを節分というわけじゃないんだ!と1つ賢くなった気がする私です。
お子さんにこのことについて聞かれたときには、以下のように教えてあげるとわかりやすいでしょう。
でも、なぜ一般的には「節分は2月3日に行う行事」という考えが浸透しているんでしょうか?
2月3日なのは歴史的な理由がある
4回ある節分の中でも、なぜ2月3日だけが広く節分であると認識されているのか?そこには歴史的な理由がありました。簡単に説明すると
- 旧暦では立春の日から新年とされていた
- その前日の節分の日(2月3日)は、現在の大晦日にあたる
- なので年越しの大事な儀式を行う日でもあった
- よって2月3日はとくに大事な節分の日とされていた
このような理由で、4回ある節分の日でも2月3日を特に節分と呼ぶようになったようです。
旧暦からいまの暦に変わったのは、明治6年のことでした。なのでおよそ140年以上も、昔の暦に則った節分の行事が行われているということになります。
節分は旧暦を基準とした行事なら改暦後になくなってしまいそうなものですが、今でも伝統が受け継がれているなんて壮大さすら感じます。
ぜひお子さんにも以下のように教えてあげてみてください。
-
- 「昔はいまと1年の数え方が違ったんだよ。昔のカレンダーだと、2月3日が大晦日だったんだって。」
- 「だから昔の人には、2月3日は特別な節分の日だったんだよ。」
- 「それが今でも続いてるんだよ。すごいよね。」
節分の歴史の深さを少しでも知ることで、節分に対する意識もきっと今より好転しますよ。子供が節分という行事について納得するための、まずは第1歩です。
では2月3日が特別な節分というのはわかったけど、もともとは何が節分の始まりだったのでしょうか?
節分の起源
歴史がわかると続いて気になるのがその起源です。
節分の起源は、中国から伝わった追儺式(ついなしき)というものです。
私もそうですが、そもそも追儺式(ついなしき)という言葉に聞き覚えのない方が大半だと思います。なのでまずは、その追儺式(ついなしき)について簡単に説明します。
- 追儺式とは飛鳥時代に中国から伝わった
- 旧暦の大晦日(2月3日)に、宮中(今でいう皇居)で行われていた
- まず鬼の格好をした人たちを厄(悪いもの)と見立てる
- その鬼役の人たちを追いかけて、宮中から追い出すというのが儀式の内容
- 新年にむけての厄払いの意味を持つ行事だった
- 大儺(たいな)、鬼やらいともいわれる
日本史に疎い私がまず思ったのは「飛鳥時代っていつだっけ、、、」でした。
調べてみると飛鳥時代はあの聖徳太子が活躍していた時代でした。また、紫式部の詩の中にも追儺式についての話が出てくるそうです。
節分の起源である追儺式とは、かなり古い歴史のある厄払いの儀式なんですね。起源が古すぎてあまりピンとこないというのが正直なところです。
今でも追儺式が伝統行事として行われている神社があるので、イメージがわきやすいように参考に動画を載せておきます。
でもこれだけ起源が古いと、子供だっていくら簡単に説明してもピンとはきません。しかしこの追儺式、節分の他にも身近なものの起源でもありました。
それは鬼ごっこ!
子供も大好きですよね。鬼ごっこも絡めて以下のように説明すると、子供にも話が入ってきやすいと思います。
- 「今から1400年も昔に、節分とか鬼ごっこのもとになった行事がはじまったんだよ。」
- 「鬼ごっこみたいに悪い鬼を追いかけて、鬼を外に追い出す行事だったんだって。」
- 「悪いものを追い出して、新しい1年をまた無事にすごせますようにってお祈りする行事だったんだよ。」
身近な鬼ごっこの話も混ぜることで、悪い鬼を追い出すというイメージが子供にもわきやすくなりますね。
実際に保育園・幼稚園ではどのように教えいるのか?はこちらからご確認ください。
これで節分の
- 意味や由来
- 2月3日に行事をする理由
- 起源
がわかりました。
けれどこの他に、現在では節分の代表的な行事である
- 豆まき
- 恵方巻
もありますよね。これらの催しにはどんな由来や意味があるのでしょうか。
節分の各行事の由来や意味
節分といえば真っ先に思い浮かぶ行事は豆まきですよね。また、コンビニやスーパーで盛り上がるのは恵方巻。
これらの節分の各行事の由来や意味はなんなのでしょう。
- 豆まきの由来
- 豆はなぜ炒るの?
- 豆以外を投げるところもある?
- そもそもなぜ鬼をやっつけるの?
- 恵方巻きの発祥は?
- 柊鰯の意味は?
の順でご紹介していきます。
豆まきの由来や意味は?
節分にはなぜ豆まきをするようになったのでしょうか?それには以下のような由来がありました。
- 厄払いの儀式である追儺式が民間に伝わる過程で豆をまくようになった
- 伝わった当初は豆打ちと呼ばれていた
- 豊作祈願で畑に豆をまく仕草をあらわすようになり、豆まきと呼ば
れるようになる - 魔滅(まめ)の当て字で、豆を用いるようになったといわれている
- 節分に使う豆が大豆なのは、大豆に霊力が宿るとされていたため
- 霊力が宿るとされている大豆を歳の数(地域によっては歳の数̟+1)だけ節分の日に食べることによって、無病息災を願える
追儺式では鬼を追い立てて追い払っていましたが、民間に伝わるにつれ大豆を使って「鬼は外!」と追い払うようになったんですね。
ちなみに大豆に霊力が宿るとされているのは、
- 天道信仰の考えから、大豆の形が太陽と同じ丸い形をしているため
- 穀物には元から生命力と魔除けの力があるとされ、その中でも大豆は栄養価が高いから
とされています。今でも大豆は日本のスーパーフードとされていますし、昔から特別視されていたのにも納得です。
詳しくはこちらより。
そんな節分の豆まきに使用する大豆、わざわざ炒った状態でスーパーに並んでいますよね。それにもなにか理由があるのでしょうか。
豆はなぜ炒るの?
節分の豆まきに使う大豆を炒るのには、きちんと理由がありました。その理由は以下の通りです。
- まいて落ちた豆は厄(悪いもの)を背負っている
- なので芽が出てしまうと縁起が悪い
- 炒った豆の方が音がよく、鬼を追い払うのに適当だから
つまり厄から芽が出ないように、豆を炒ってからまくんですね。
芽が出ないようにするなら蒸した豆でも良さそうですが、確かに炒った豆のバラバラという音がしないと厄を払えた気がしなさそうですから納得です。
さて、ここまで節分の豆まきに使う大豆の話をしました。しかし、節分に豆以外をまくところがあることをご存知でしょうか。
豆以外を投げるところもある?
一般的に節分の豆まきといえば炒った大豆ですが、なんと豆以外を投げる場所もあるのです。
それは神社での豆まき。神社の中には
- 餅
- みかん
- お菓子
をなどをまくところがありました。
これは通常の豆まきの厄払いとしての意味ではなく、福を配るという意味で行われているようです。
縁起もいいですし子供も喜びそうなので、私もぜひ1度参加してみたいです。
赤ちゃんがいるご家庭でも豆以外をまく?
このような神社での豆まきでは鬼は出てこない場合が多いようです。
そういえば、豆まきといったら鬼に豆をぶつけるものですよね。でもなぜやっつける相手が鬼なのでしょうか?
そもそもなぜ鬼をやっつけるの?
ここまでのことで、節分の豆まきは厄払いの行事だということはなんとなくわかりました。
でもなぜ鬼をやっつけるのか。それにはこのような理由がありました。
- 昔、疫病や災害などの災厄は目に見えない悪霊や魔物のせいだとされていた
- それらは隠れているいるもの、隠(オン)と呼ばれていた
- 隠(オン)が転じて、オニと呼ばれるようになった
- よって鬼をやっつけることは、災厄を退けることとなる
なるほど。だから鬼なんですね。
次に、節分といえば豆まきで鬼をやっつけるだけではありません。節分の日といえば恵方巻を食べる日でもありますよね。続いては恵方巻の発祥についてみていきましょう。
恵方巻きの発祥は?
節分当日になると、豆をしのぐ勢いで恵方巻がずらりとスーパーに並びます。最近ではすっかりお馴染みの光景ですが、私が子供の頃はここまで節分に恵方巻を推してなかった気がします。
そこで恵方巻の発祥を調べました。
その結果、
- 恵方巻は大阪の発祥
- もともとは関西の文化
であったことがわかりました。発祥の地の関西ではまるかぶり寿司とも呼ぶそうです。
しかしいまや恵方巻は全国的な節分の行事の一環です。このように恵方巻が全国に広まったのは以下のような理由があると考えられています。
- コンビニが恵方巻としてマーケティングをはじめる
- コンビニの増加とともに恵方巻も普及する
- 夕飯の献立に悩む主婦層に受け入れられ、節分の日は恵方巻と定着した
こうしてみると恵方巻は関西地方以外では割と新しい文化なんですね。
我が家でも節分の日の夕飯は恵方巻と決めています。
よって、節分の日は夕飯の献立の悩みから開放されるのでとても助かっています(笑)
恵方巻は
- その年の恵方(縁起の良い方角)をむいて
- 言葉を発さないように
- 途中で噛み切らずに
食べると福が来るといわれています。ただ小さなお子さんにはその方法では非常に食べづらいですし、誤嚥の心配もありますので気をつけてくださいね。
ここで節分の行事にもう一つ、柊鰯(ひいらぎいわし)というものもありますよね。この行事の意味はなんなのでしょうか。
柊鰯(ひいらぎいわし)の意味や由来は?
恵方巻は比較的新しい文化でしたが、この柊鰯(ひいらぎいわし)は平安時代には存在していたそうです。今でも見かけたこのある方もいるのではないでしょうか。
柊の枝に鰯の頭を刺し玄関の外に飾るという独特な行事ですが、実はこのような意味があります。
- 鬼は焼いた鰯の臭いを嫌い近づかない
- 棘が刺さるのを嫌って柊にも近づかない
よって、柊鰯には魔除けや厄除けの意味があるとされています。
地域によっては
- 焼嗅(やいかがし)
- 柊刺し
とも呼ばれるそうです。また鬼が嫌う臭いをだすために、にんにくやラッキョウを使う場合があるんだとか。
そして鬼が家に入って来ないように節分に玄関の外へ飾るんですね。せっかく豆まきで追い払った鬼がまた戻ってきたら困りますもんね。
ここまでの節分の行事をまとめると、
- 厄払いや魔除けの意味がある
- 福を得ることができる
ものだということがわかりました。
このように大事な意味がある行事だとしても、どうしても鬼が怖くて泣き出してしまう子もいます。そんなときは節分の行事をどうしたらよいのでしょう。
節分の前に子供がぎゃん泣き!それでも節分行事をする?
ここまでみてきた通り、節分の鬼は災厄の化身といっても過言ではありません。なので、恐ろしい姿をしていても仕方がないですよね。子供が節分の前に鬼を怖がって泣き出してしまうのも当然だと思います。
けれどそんなときも節分の行事をした方がいいのでしょうか?
答えは、できるだけした方が良い。
なぜなら節分は毎年訪れるもの。保育園でも節分の行事は行われますし、いつまでも避けては通れません。
しかし無理強いをするとかえって子供の恐怖心を煽ってしまいます。なのでやはり、子供に節分について納得してもらえるように説明をしてあげるのが1番です。
子供に節分の意味をきちんと説明してあげよう
まずは子供の恐怖心を否定せず、受け入れてあげましょう。そうすると子供も落ち着いてこちらの話を聞いてくれる体勢になれます。
そうなったら節分はどうして行うのか、例えば以下のように説明してあげてみてください。
- 「そうだね。鬼さん怖いよね。」
- 「でも節分の豆には、鬼さんをやっつけるパワーがあるから負けないよ!」
- 「鬼さんをやっつけると、病気とか悪いものをやっつけられるんだよ。」
- 「○○ちゃん(くん)には今年も元気でいて欲しいから、頑張って鬼さんをやっつてきてほしいな。」
どうして怖い鬼に立ち向かわなければいけないのか納得させてあげて、子供が節分の鬼に立ち向かう勇気を出せるように背中を押してあげましょう!
特に「自分のためなんだ」と納得できれば、節分に対しても前向きになってくれるはずです。
絵本を通して伝える方法もおすすめ。
これは「鬼を厄=病気や災害」とした、通常の節分を子供にわかりやすく説明したパターンです。しかしもうひとつ「鬼=子供の中にある悪いもの」ととらえるパターンもあります。
子供の中の鬼をやっつけよう
節分の鬼とは、厄、つまり悪いものの総称です。つまり例えば、
- 好き嫌いをしてしまう
- 就寝時間を守れない
- ワガママを言ってしまう
というような子供の中の悪いものも鬼であるといえます。なのでこの子供の中の悪い鬼を退治するイメージで、このパターンでは次のように説明してあげてみてください。
- 「ダメだってわかってても、いつもニンジンを残しちゃうよね。」
- 「きっと○○ちゃん(くん)の中に、ニンジンを食べたくない鬼さんがいるせいだ!」
- 「節分の豆まきで、○○ちゃん(くん)の中のニンジンを食べたくない鬼さんも一緒にやっつけてきて欲しいな」
これはニンジンが嫌いな子と仮定した場合ですが、お子さんに合わせて違う言葉に変えてみてください。きっとこのパターンだと、節分をするのは自分のためなんだとより納得ができると思います。
ただ子供の恐怖の感じ方はその子によって程度が違います。「これはダメそうだな。」と親が判断した場合は、無理をしないでくださいね。その場合はまた1年かけてゆっくりと節分について納得してもらい、翌年に再チャレンジしてみましょう!
ところで我が家の3歳の息子も節分の鬼が怖くて仕方がありません。
それは100%私の失敗のせいなのです。
どうしても息子が聞き分けが悪い時に「そんなことばっかりしてると、怖い鬼さんがきて食べられちゃうからね!」と鬼を持ち出して叱ることがあるから。おかげで息子はすっかり鬼に怯えるようになってしまいました。
節分についてわかりやすく説明してあげる以前に、今後は叱るときに鬼に頼らないようにしてむやみに恐怖心を煽らないようにしようと大反省した私です。
【まとめ】節分の由来や意味、子供向けに簡単解説するなら
では、ここまでのことをまとめていきます。
- 節分とは季節の変わり目のことをいい、2月3日が特別なのは旧暦の大晦日にあたるから。節分の起源は中国から伝わった追儺式。
- 豆まきは民間式の追儺式。鬼を退治することは厄除けの意味がある。その他の節分の行事も厄除けや招福の意味がある。
- 子供が節分を嫌がって泣いてしまうときは、節分は自分のためなんだということを納得してもらえるようにきちんと説明してあげよう
とても古い起源と歴史を持つ節分。子供と伝統行事に触れ合える大事な機会です。ぜひ泣いてしまう子にも節分について納得してもらって、笑顔で豆まきなどの行事を行いたいですね。