こんにちは!3児のママ、あいりです。
節分の日に「鬼は外!福は内!」の掛け声とともに行われる豆まき。小さな子どもがいると、日々「なんで?なんで?」攻撃に合いますが節分に関しても例外ではありません。
「なんで豆をまくの?」「なんで鬼は外、福は内って言うの?」など聞かれたことはありませんか?改めて聞かれると困ることもありますよね。
そこで、「鬼は外!福は内!」という掛け声の意味について徹底調査しました!
「鬼は外!福は内!」や豆をまくことの意味を知って、子どもと豆まきを楽しみましょう!
お歌に乗せて楽しみたい方は!
もくじ
豆をまくときに「鬼は外福は内」という意味は?
豆まきのときに「鬼は外!福は内!」という掛け声をしますが、『鬼は外福は内』という意味を考えたことはありますか?
これは、災いをもたらす鬼は外へ、幸福を招く福の神は内へという意味というのは大抵の人がご存知だと思います。
その他にも、自分の中にいる鬼を追い出す意味もあるようです。
黄檗宗(おうばくしゅう)第57代、玄妙(げんみょう)管長の歌に、
- 鬼は外 福は内なる外の鬼 つかまえてみたら 内の鬼なり
という歌があります。私たちの深層心理には、「鬼」が住んでいて、節分の豆まきは自分の中の煩悩や穢れを豆に移して流そうとする行為で、その豆を食べて禊をするという考え方です。
子どもに聞かれたら、このように教えてあげてください。
しかし、なぜ「鬼」なのでしょうか。
なぜ鬼なの?どんな意味がある?
「鬼」にはどんな意味があるのでしょうか。
鬼とは想像上の生き物ですが、「陰(おん)」「隠(おぬ)」に由来する言葉で、目に見えない邪気やこの世のものと思えないものを意味します。
また、仏教では「三毒煩悩」を、三匹の「赤鬼・青鬼・黒鬼」に例えています。
- 怒って、真っ赤になったのが「赤鬼」
- 何か心配事があり、心配して青くなったのが「青鬼」
- 無知で、お先真っ黒なのが「黒鬼」
その他にも、陰陽道の最盛期といわれる平安時代中期頃から、病気や疾病、地震、火災、天災などは神の祟りが起こすものと考えられていました。その祟りを起こす神の存在が鬼に例えられていたのです。
どちらにしても、鬼はなにか良くないものの象徴だったということですね。
鬼が家に入ってくる?鬼門とは
立春の季節は十二支で牛と寅が担当し、その方位は北東=艮=丑と寅の間の事で「鬼門」と呼ばれています。そのため、鬼は牛の角を持ち、寅の牙と皮をまとっているとされています。
北東方位が鬼門と呼ばれるようになったのは諸説あります。
- 古代中国に鬼のように恐ろしい形相で異民族が攻めてきた。その方位が北東だったことから北東方位を恐れた。
- 北東方位からの季節風がとても厳しく人々の暮らしに悪影響を与えていたので、災い(鬼)は北東方位から来るとされた。
日本の風土や気候は当時の中国と同じとは言えません。しかし北東方位はあまり日当たりが良くないので、採光や風通しなどが原因で起こる悪影響が「北東方位(「鬼の門」と名のつく方位)は恐ろしい」という思想と一致したのではないでしょうか。
他にも「鬼門は鬼の通り道で、立春に開くため、鬼が来る」という言い伝えもあったようです。また、節分は季節の変わり目ということで邪気が入り込みやすく、邪気を払わないと次の季節に悪いことが起こると信じられていました。
子供に伝えるならこのように伝えてあげてください。
隠された意味も!こんな言い伝えもある
「鬼」には山に隠れる者、放逐された者や盗賊、また先住民・異民族・大人(おおひと)・山男などの見なれない異人をいう説もあります。
鬼の代表格とも言える酒呑童子は、現存最古と言われる絵巻『大江山絵巻』の中でも、髪は茶色で、眼も明るい色をしていて体格も非常に大きいです。私が子供の頃に読んだ漫画(タイトル忘れました)にも酒呑童子は異国人として登場していました。
「昔の人って異国の人を見る機会が少ないから鬼だと思ったのかな」と妙に納得したのを覚えています。
今回、節分について調べている時に「こんな言い伝えもあるんだ!」と気になったものがあったのでご紹介しますね。
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舩橋 ひとはなさんの投稿 2015年2月2日月曜日
「鬼は外福は内」といいながら豆をまく意味は?
ここまでで鬼の正体はわかりましたが、どうして豆をまくのでしょうか?
古来より、五穀(米、麦、あわ、ひえ、大豆)には穀霊と呼ばれる精霊が宿り、魔よけの効果があると考えられていました。大豆は米よりも大きいので、より多くの精霊が宿るとされ、邪気を払うのに最適とされていました。
そして、「豆」「魔目」「魔滅」という語呂合せの意味もあったようです。
また「大豆が鬼毒を消し、痛みを止める」と中国の医学書「神農本草」にも書かれていて、豆まきは鬼を退治したり追い返すという謂われもあったようです。
【関連記事】豆まきの由来と意味を子供向けに簡単解説!実は祈りの儀式だった
なぜ大豆は炒るの?
生の豆を使い、まいた豆から芽が出ると縁起が悪いとされています。そこで芽が出ないようにしっかりと豆を炒るようになりました。
また「炒る」と「射る」をかけて鬼退治にふさわしいと考えられていました。「魔を射る(=炒る)」ため炒り豆でないといけないのです。
他にも、鬼や大豆は陰陽五行説(「木」「火」「土」「金」「水」の五行)の「金」にあたり、この「金」の作用を滅するといわれる「火」で大豆を炒ることで鬼を封じ込め、最後に、豆を人間が食べることで鬼退治をするという説もあるようです。
大豆以外をまく地域も!
大豆以外をまく地域もあります。
北海道、東北、新潟、長野、宮崎、鹿児島では大豆より落花生をまくことが多いようです。雪深い地域では落花生の方が拾いやすく、雪で濡れても皮を剥けば食べれるからという説もあれば、落花生の産地だからという説もあります。
ちなみに私の実家をはじめ、まわりでも落花生をまく家が結構あります。
これは拾いやすいからという理由でした!
節分に豆まきをする理由は、大豆に宿る精霊で邪気を祓うために、魔(鬼)の目に豆をぶつけて魔を滅するということですね!子供に聞かれたら、このように伝えてあげてください。
ところで、生まれたときから当たり前にあった豆まき。これはいつからはじまったことなのでしょうか?
いつから豆まきは始まった?節分は年に4回ある?
いつから豆まきは始まったのでしょうか。
「鬼は外福は内」の始まりとしては、当時の中国から伝わった追儺の儀式というものでした。
8世紀頃は、大晦日に方相氏(鬼神)役が宮中をまわり厄払いをする行事でした。方相氏は元々、悪鬼を祓う良い神とされていましたが、葬儀に係わる役目もしていたので縁起が悪いとされたようです。
そのことから9世紀頃には、疫病を象徴する悪鬼とみなされるようになり、実際の鬼役を桃の弓と葦の矢で追い出し、疫病を封じるという儀式になっていったようです。
平安時代の節分は厄除けと健康祈願の読経がされていました。その後、節分に豆まきが加わりました。節分に豆をまく習慣が記載されているものは、室町時代の応永32年(1425年)の文書が最も古い文献となります。
そして、日付も近かったため、元々は別々の行事の追儺(大晦日)と節分(正月)の行事が混ざって、現在の節分になったのです。
また、節分と言えば2月3日のことを言いますが、節分は年に4回あるのはご存知でしょうか?
節分とは二十四節気(1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもの)の立春、立夏、立秋、立冬の前日を言います。
立春が1年の始まりで特に尊ばれたため、節分と言えば春の節分のみを指すようになりました。
「追儺」の儀式が『鬼は外福は内』の始まりで、春の節分の行事と混ざって伝えられてきたということですね。
【関連記事】節分を赤ちゃんと!豆まきが絶対NGな理由とおすすめの楽しみ方
【まとめ】「鬼は外、福は内」の意味
節分で豆まきをする意味についてご紹介しました。では、まとめておきます。
豆をまくときに『鬼は外福は内』という意味は?
なぜ鬼なの?どんな意味がある?
・病気や疾病、地震、火災、天災などは神の祟りが起こすもので、その祟りを起こす神の存在が鬼に例えられていたので、鬼はなにか良くないものの象徴とされた
・節分は季節の変わり目で、悪い気が入りやすいから「鬼の門」と名前のつく北東方位から鬼が来ると信じられていた鬼門とは北東=艮=丑と寅の間の事を指す。そのため、鬼は牛の角を持ち、寅の牙と皮をまとっているとされている
『鬼は外福は内』といいながら豆をまく意味は?
いつから豆まきは始まった?節分は年に4回ある?
・「追儺」の儀式が『鬼は外福は内』の始まり。
・節分は本来、立春、立夏、立秋、立冬の前日を言う。立春が1年の始まりで特に尊ばれたため、節分と言えば春の節分のみを指すようになった。
中国から伝えられた風習に日本の古来の風習が混ざり、節分の豆まきになったようですね。昭和に入ると恵方巻きを食べる風習も始まり、現在ではすっかり定着しています。こうしていろいろなものが混ざり発展・継承されていくのだなと思うととてもおもしろいですね。
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10歳(長男)8歳(次男)5歳(三男)、3児のママ。チャレンジ精神旺盛で、現在、病院勤務(専門職)・経理事務・ライティングのトリプルワークと、ワンオペ家事育児生活を謳歌中。