こんにちは。鏡餅は毎年手作りしています。3歳男児と1歳女児の母ななみです。
お正月飾りの代表といえば鏡餅ですよね。私は毎年実家で、年末に鏡餅を手作りしています。今年も子供たちと一緒に鏡餅を作りに行く予定です。
でも今年は1つ不安なことが。それは3歳の長男の「なんで?どうして?」攻撃。実は私、毎年のように鏡餅を作ってはいますが、鏡餅についても鏡開きについても何一つ意味を知らないのです。
自分で鏡餅を作っておきながら息子に鏡餅についてあれこれ聞かれても何も答えられないのは恥ずかしいし、楽しいお正月行事に水を差してしまうかも。そんな不安を払拭するために、今年は鏡餅について充分な予習をしました!
この記事では私が予習した
・鏡餅開きの意味や由来
・鏡餅のオススメの食べ方
などを子供にもわかりやすい伝え方とともにご紹介していきます。
「年中行事は教えてあげたいな」
「子供が保育園で鏡餅を作ってきたけど、どうしよう?」
という方はぜひ参考にして、お子さんとお正月行事を楽しんでください!
もくじ
鏡開きの意味や由来は?
学校では習えないお正月行事。子供が興味を持ったタイミングできちんと教えてあげたいですよね。
そこで、まずは鏡餅開きの意味や由来を調べました。それについては以下の通りです。
- むかし神事に使われた丸い金属鏡を模して、鏡餅は丸く作られている
- 鏡餅という名前はその金属鏡を模しているのが由来
- 年に一度、元旦に年神様がそれぞれの家庭にやってきて鏡餅に宿る
- 年神様が宿った鏡餅を開いて食べることで、年神様の力を分けてもらえる
- 年神様の力を分けてもらうことで1年間の生きる力をつける事ができる
つまり鏡開きは1年間の無病息災、健康を願うための行事なんですね。
ちなみに歴史も相当古く、鏡餅は平安時代にはすでに存在していたそう。現在のかたちになったのも室町時代からといわれています。鏡開きは驚くほど長い間続いてきた伝統行事だったんですね。
なにも知らずに、ただ毎年鏡餅を作っては開いて食べていた自分がとても恥ずかしいです。
ではその鏡開きはいつ行うのがよいとされているのでしょうか?
鏡開きはいつするの?
調べてみると鏡開きを行う時期はちゃんと決まっていて、鏡開きは松の内(年神様がいらっしゃる期間)が明けてから行うものだということがわかりました。
その具体的な日付は以下の通りです。
- 一般的には、1月11日
- 関西などでは、1月15日
- 京都などの一部では、1月4日
日付に違いがあるのは、松の内(年神様がいらっしゃる期間)がいつまでなのか地域によって違うからです。
しかし、昔全国的には1月20日に鏡開きを行っていたそう。ですが、徳川3代将軍の徳川家光の月命日が20日であったため、その日を避けるため松の内が明けてから鏡開きをするようになったんだとか。
徳川将軍の名前が出てくるあたり、さらに鏡開きの歴史の深さを感じます。
ところで鏡開きと言っていますが、正直に言うと鏡餅を割っているという表現の方が合っていますよね。なぜ「開く」という言葉を使うのか、そこにも歴史的な意味があるのでしょうか?
割ってるけど「開く」という由来は?
結論から言うと割るではなく開くという言葉を使うのにも、歴史的な由来がありました。それは次の通りです。
- 鏡餅は武家が発祥
- なので、刃物で切り分けると切腹を連想されて縁起が悪い
- よって、木槌や手で割るようになった
- しかし、割るという言葉は離別を連想させる忌み言葉である
- 結果、末広がりという意味を持ち縁起の良い開くという言葉に置き換えられた
武士の切腹が連想されるからという理由が「開く」という言葉を使うようになった始まりだったんですね。割るが忌み言葉で開くが縁起の良い言葉だというのも初めて知りました。言葉の選び方1つでも伝統を感じますね。
現代においても昔の伝統のままの形で鏡開きが伝わっているのって、すごいことですね!
さて、こんなにも歴史が深く起源も古い鏡開き。子供にわかりやすく説明するにはどうしたらいいのか。次でまとめます。
子供にわかりやすく説明するには?
子供に鏡開きの歴史や起源から説明してもなかなか理解は難しいですよね。なので、お子さんに説明するときにはこのようにしてみてください。
- 「この鏡餅の中にはね、お正月にきてくれた神様のパワーが入っているんだよ。」
- 「神様のパワーを分けてもらうために、開いてみんなで食べようね。」
- 「割るっていう言葉はお祝い事には使わないから、代わりに開くって言うんだって。」
- 「神様のパワーで今年も元気でいられますように、ってお願いしながら食べようね。」
これで子供に「なんで?どうして?」と質問されてもスムーズに答えられますね!
「せっかく子供が伝統行事に興味を持ったのだから、もう少しちゃんと教えてあげたいな」という方は、絵本で一緒に楽しみながら教えてあげる手段もあります。
こちらがお子さんと一緒にお正月をはじめとする伝統行事が楽しく学べる絵本の一例です。
以上で鏡開きはとても歴史の古いお正月の伝統行事だということがわかりました。
そんな伝統行事ですから、保育園で鏡餅作りを体験する場合もありますよね。子供が持ち帰ってきた鏡餅はどうしたらいいのか、次はその食べ方などを紹介します。
保育園で鏡餅をもらったけどどうしたらいいの?
鏡餅と鏡開きは伝統行事とはいえ、家庭によって鏡餅を飾る習慣がない場合もありますよね。そのような場合は鏡餅をもらっても、正直困ってしまいます。
でもせっかくなので鏡餅を飾り、そして鏡開きをしてみましょう!
鏡餅を飾る場所は正しくは床の間とされていますが、鏡餅(とくに手作りのもの)はカビが生えやすいです。なので直射日光が当たらない風通しの良い場所に飾るのがオススメです。我が家の場合には玄関に飾っています。
松の内を終えたらいよいよ鏡開き!
木槌があれば1番割りやすいのですが、都合よく木槌が家にない人の方が多いと思います。その場合は手で折るように割ってみましょう。ちなみに我が家では木製のめん棒で割っています。
道具を使って鏡開きをする場合は意外と餅が飛び散るので、新聞紙やレジャーシートをひいておくと安心です。
我が家の長男も割る作業が楽しかったようで、2歳だった昨年はかなり細かくなるまで割ってくれました(笑)
そうして開いた鏡餅。次はオススメの食べ方を紹介したいと思います。
オススメの食べ方3つ
鏡開きをした鏡餅は通常とても乾燥しているので、
- お雑煮
- お汁粉
にして柔らかく戻して食べるのが一般的です。ですが小さな子に雑煮やお汁粉を食べさせるのは、のどに詰まらせたりするのが怖くて避けたいという方も多いと思います。なのでこちらでは
- 乾燥したお餅でも調理できる
- 小さな子供でも比較的食べやすい
この2点をおさえたオススメの食べ方を、作り方の動画と一緒に3つ紹介していきます。
おかき
こちらだけは動画が見つからなかったので、クックパッドからレシピを紹介します。
おかきは我が家でも定番の鏡餅の食べ方です。開いた鏡餅をよく乾燥させて油で揚げるだけなのでとても簡単です。ただ乾燥が足りないままへ投入すると、とっても油がはねるので注意です!
ミルク餅
電子レンジだけで作れるお餅のスイーツです。
牛乳と一緒にレンジで温めるので鏡餅のような乾燥したお餅も柔らかくなります。加える牛乳の量を調節することで、お子さんに合わせた固さで作ることができます。
バター餅
秋田県の郷土菓子を再現したレシピで、こちらも電子レンジだけで作ることができます。
まだ作ったことがないのですが、バター餅は学校の給食でも出されることがあるそうです。とても美味しそうですし、次の鏡開きが終わったら作ってみたい品です。
以上が私がオススメする鏡餅の食べ方です。ただどんなに食べやすいように工夫してもお餅はお餅ですので、お子さんが食べる際には必ずそばにいてのどに詰まらせないように注意してくださいね。
ところで、食べ方の工夫以前に「鏡餅が食べられない!」なんて状況のときにはどうしたらよいでしょうか?
どうしても食べられないときは捨てちゃだめ?
鏡餅がどうしても食べられない状況、その一番の原因はカビが生えてしまうことです。
市販の鏡餅なら真空パックに入っているものが通常なのでカビの心配はいりませんが、保育園の行事などでいただく鏡餅は手作りの場合がほとんどだと思います。その場合はどうしてもカビが生えてしまうもの。
ではカビが生えてしまった鏡餅でも、伝統に乗っ取りどうしても食べなくてはいけないのでしょうか?
その答えは「無理をしてまで食べなくてもいい」です。
それはお餅のカビについて以下のような理由があげられるからです。
- 昔からお餅に生える白いカビは、その部分を削れば食べられるとされている
- 色のついたカビは有害で白いカビは無害という考えがある
- しかしカビは非常に種類が多く、素人が色だけで有害か無害かを判断するのは危険
- 表面にしかカビが生えていなくとも、カビは奥まで根を張っている
- カビは高温で熱しても死なない
鏡開きをした鏡餅を食べるのは1年間の無病息災を願ってのことです。カビの生えてしまった鏡餅を食べて体調不良を起こしたらそれこそ本末転倒です。
なので無理をせず、大変もったいないですがカビの生えた鏡餅は捨ててしまっても大丈夫です。
私も自分で鏡餅を作る際は
- 打ち粉をつけすぎない
- 手水をつけすぎない
- 鏡餅のそばにワサビを盛る
といったカビ対策をしていますが、どうしてもだいだい(みかん)と接している上の段の鏡餅はカビてしまいます。なので毎年、鏡開きをしているのは下の段の鏡餅だけです。
もったいないですが、上の段の鏡餅は「ごめんなさい」と言いながら捨ててしまっています。
そういえば、鏡開きといえばお正月の鏡餅が真っ先に連想されますが、結婚式で酒樽を割ったりするのも鏡開きといいますよね。同じ「鏡開き」ですが、その意味も同じものなんでしょうか?
結婚式で見たことある鏡開きは違うもの?
お正月の鏡開きと結婚式で見かける鏡開き、どちらも同じ鏡開きと言っていますよね。名前が同じなだけで違う意味の行事なのか?
結論からいうと、「形式が違えど同じ意味のあるもの」でした。
まずこの2つに意味の違いがあるのか調べるために、結婚式で見かける酒蓋を割る鏡開きにはどのような由来があるのか調べました。
酒蓋を割る鏡開きの由来
結婚式で見かける酒蓋を割る鏡開きの由来は以下の通りです。
- 酒蓋の丸い形は、神事に使われた丸い金属鏡を模している
- 丸い形の鏡には「円満」という意味があり、縁起が良い
- なので酒蓋を鏡と呼んでいた
- 忌み言葉である「割る」を避けて、末広がりという縁起の良い意味がある「開く」という言葉が使われている
- 結婚式で行われる鏡開きには「幸せを切り開く」という意味がある
鏡餅で使う「鏡開き」とほとんど同じ由来ですね。
ただし、酒樽を割る鏡開きは鏡抜きと呼ばれる場合もあるそうです。
酒樽を割る鏡開きの起源は詳しく知ることができませんでしたが、樽を用いてのお酒の保存が始まったのは江戸時代になってから。なのでお正月の鏡開きの方が歴史は古いようです。
では2つの鏡開きは違うものなのか。お正月の鏡開きと酒蓋を割る鏡開きが共通しているのは
- 神事に使われた丸い金属鏡が、名前と形の由来
- お祝い事のときに祈りを込めて割る
- 「割る」ではなく縁起が良い「開く」という言葉を使っている
ということ。つまり鏡開きに用いる物と時期が違えど、2つの鏡開きはお祝い事のときに祈願の成就のために行うという意味では同じ行事だと結論できます。
どちらの鏡開きも神様にあやかって縁起を担ぐための大切な伝統行事なんですね。
【まとめ】鏡開きの意味と由来
では、ここまでのことをまとめていきます。
- 鏡開きは1年間の無病息災、健康を願うための行事
- 保育園でもらった鏡餅も鏡開きをしましょう!どうしても食べられない場合は無理をしなくても大丈夫
- 結婚式で見かける鏡開きは幸せを切り開いていくのを願うための行事。祈願の成就のための行事という意味が、お正月の鏡開きと同じだと言える
これで鏡開きについての予習は完璧です!鏡開きは伝統的なお正月行事。親子で楽しみながら理解を深められるといいですね。
<お正月といえば、お年玉!>